ワンドの話がしたい

 

好きな乙女ゲームはいくつかある。

その中でも私にとって最高峰の乙女ゲームが、

ワンドオブフォーチュンシリーズだ。

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乙女ゲーム好きなら、おそらく大半の人間が聞いたことのあるタイトルではないかと思う。

2019年に発売10周年を迎えて、コラボカフェが開催されたりイメージフレグランスが発売されたりと、息の長い人気作品だ。

 

ちなみに私は最推しであるノエルのフレグランスを購入し、ベッドに置いてあるぬいぐるみ(巨大ス○ーピー)にぶり撒いて抱きしめて寝ている。

 

ちょっと井○屋1階化粧品コーナーみたいな匂いがするが、愛でカバーできるので問題ない。

 

 

PS2から始まり、PSP、Vitaと移植されてきたこの作品。

私がプレイしたのは2016年発売のVita版なので、ぶっちゃけめっちゃ新参のファンなのだが、遅まきながらもワンドに出会えたことは本当に僥倖であったと思う。

 

ファンブックを買ったり、ドラマCDを根こそぎ買い集めたり、イメージフレグランスを買ったりしたのは、人生で初めてのことだ。

 

もはやすっかり、この作品のディレクター兼シナリオライターであるいわた氏と、イラストレータ薄葉カゲロー氏の信者になってしまっている。

このタッグで制作されたレンドフルールやVARIABLE BARRICADEも即買いした。

 

内容ももちろん最高だが、まずこの美しいイラストに惹かれずにはいられない。

 

だって見てこれ。

Vita版の追加スチルなんだが美しいと思わんか。

 

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私の最推しノエル

こんなツラして完全にギャグ担当というところが愛おしい。

 

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年下ツンドラ少年エス

と、ヒロインのルル。どっちもクソ可愛い。

 

あ、

この記事の中で使用している全ての画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社およびデザインファクトリー株式会社に帰属します。

公式サイトよりかっぱらってきたので問題ありそうならそのうち消す。

 

 

 

 

さて、ワンドオブフォーチュンという作品の中身についてもう少し紹介していきたい。

 

この作品はシリーズ物で、

・ワンドオブフォーチュン 

・ワンドオブフォーチュン〜未来へのプロローグ〜

・ワンドオブフォーチュン2〜時空に沈む黙示録〜

・ワンドオブフォーチュン2FD〜君に捧げるエピローグ〜

全4作から成る。

 

すべて遊べるのはPSP版かVita版で、PS2では1と1FDしか発売されていない。

 

Vita版では1と1FDが一本になり、「ワンドオブフォーチュンR」としてリメイクされたため、ソフトは全3本となっている。

 

FDもめっちゃ面白いがまあ置いておいて、今回はメインである1と2について触れたい。

 

 

 

シリーズ1作目の作品ジャンルは

恋と魔法を携え未来へ駆けるADV。

 

…余談だが、乙女ゲームはジャンル名が面白いものが多い。

普通に「恋愛アドベンチャー」とかでいいだろうに、やたら凝っている。

うたプリの「キスよりすごい音楽って本当にあるんだよADV」とか謎のインパクトがあって大好きだ。

 

まあジャンルだけじゃよくわからんので、公式サイトからワンドのストーリー紹介を引用させていただく。

 

 

 

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とある地方の魔法学校に通うルルは、

教師も手を焼く問題児

 

 

失敗ばかりの魔法と、続出するトラブルに困った教師は、母校に相談し、ルル転校することに。

 

 

 

 

世界の魔法を管理する魔法都市ラティウムの中心にあるミルス・クレア魔法院は、全魔法士たちの憧れの学校。

 


期待に胸躍らせて門を潜ったルルだが、
そこで告げられた事実は衝撃的なものだった。

 

なんとルルには、魔法使いに本来あるべき

「属性」がないのだという。

 

 

 

故に、ミルス・クレアに在籍する一定期間の間に自分の属性を決定できなければ、

魔力を封印するしかないと宣告されてしまった。

 

 

 

果たしてルルは自分の属性を見つけることができるのか!?

 

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うむ。わかりやすい。

さすが公式さんだ。

 

要するに、無属性ゆえに魔法を暴走させてしまうヒロイン・ルルが、様々な属性を持つ男の子たちとの交流の中で、その影響を受けながら属性を身につけていく…というお話。

 

ノベルゲームではないので、プレイにはそこそこの作業が必要になる。

初代PS2PSPではその作業量の多さとランダム要素のせいで苦痛の声が多く上がったが、Vita版ではかなり改善されて楽になっている

 

1週間ごとにスケジュールを組み、彼や先生たちと勉強して各パラメータや属性値を変動させつつ、イベントを重ねて好感度を上げていく。

もちろん、ミニゲームや週末のマップ散策、ショップでアイテムを購入するなどの楽しみもある。

そんな日々を積み重ね、半年後の最終試験にパートナーとともに挑む…という流れだ。

 

ルルの抱える属性問題はもちろん、攻略対象たちにもそれぞれ立ち向かうべき問題があり、この最終試験のなかで、二人でそれらを乗り越えていく。

 

 

 

こう書くと、ベタもベタな王道魔法学園モノ感はあるのだが、王道ゆえの良さと、良い意味でのクセの強さの相乗効果で、これがまあ〜面白いのだ。

 

私は作業ゲーがかなり苦手な方(作業で話が途切れるのが苦手)だが、それでも最高に楽しかったし、恋愛過程の丁寧さやキャラクターたちの成長に心を打たれた。

 

 

というかもう、とにかく登場人物たちが皆可愛いのだ。

個性は強いが、みな根が優しく誠実で、良い意味で子供らしい純粋さがある一部除く)。

 

 

 

乙女ゲームは人がボロボロ死んだり何かと殺伐とした作品が多いのだが、ワンドには恋と青春キラキラ✨が凝縮されている。

 

制作陣も言っていたが、この作品には私たちの憧れるものが詰まっているのだと思う。

現実はそう甘くないし綺麗でもないが、本当は誰だって夢をみたいし、まっすぐで美しいものを見ていたい。そんな気持ちを叶えてくれる作品だ。

 

明るい気持ちになりたいとき、前向きになりたいときには是非プレイして欲しいと思う。

 

 

 

 

さて、お次はこの作品の魅力溢れるキャラクターたちを、個人の独断と偏見を詰め込みつつ紹介する。

 

 

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まずはヒロイン、ルル

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cv.堀江由衣

属性がい魔法使い。15歳。めっちゃ可愛い。

 

乙女ゲーム界の個性派ヒロイン代表。

制御できない魔法で予期せぬトラブルを起こしがち。

「とっても〇〇だもの!」「お花さん、小鳥さん」など子供っぽい喋り方をするのでプレイヤーからも誤解されがちだが、実際かなり空気が読めるし地頭が良いタイプだと私は思う(発言が計算という意味では決してない)。

とにかく人懐っこく垣根を持たない愛されキャラで、攻略キャラから「人間磁石」と称されるほど。

 

思いやりに溢れた心優しい博愛の天使でありながら、めちゃくちゃ前向きで猪突猛進で、メンタルが鬼のように強い

一部攻略キャラからとんでもない扱いを受けたりするが、全然めげないし挫けない。

 

魔法媒介はおばあちゃんからもらった杖。可愛い。

 

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メインヒーロー、ユリウス

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cv.櫻井孝宏

属性の魔法使い。17歳。

フルネームはユリウス・フォルトナー。

 

親衛隊まで存在する公式イケメン王子枠でありながら、作中きっての変人ド級のマイペース。

重度の魔法オタクで魔法にしか興味がなく、熱中すると早口で捲し立てるように喋る。

魔法にしか興味がないために、やや無神経で人の心の機微に疎い

 

成績優秀で天才と評されるも、昼夜を問わず限度を知らぬ知識欲と、没頭しすぎて一切が耳に入らない驚異の集中力によって、学内屈指のトラブルメーカー(無自覚)になっている。

 

魔法媒介は杖。こだわりはなく、使えればいいらしい。

 

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不憫代表、ノエル

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cv.鈴木千尋

属性の魔法使い。17歳。私の推し。

フルネームはノエル・ヴァルモール。

 

「僕は世界一の大魔法士になる男だ!」

と豪語する、自称天才のおぼっちゃま。とんでもない自信家に見えるが、実は見栄っ張りの小心者

 

本物の天才であるユリウスに対して強いライバル心を持っており、しょっちゅう突っかかっているが、当の本人からは全然相手にされていないどころか一番仲が良い友達だと思われている。(ちょっと嬉しい)

 

家柄もよく容姿端麗、誠実で心優しく努力家で、たぶん作中で一番良い奴なのだが、不運な上にアホなので何かと散々な目に合いがち。

ネタ担当のオチ担当。

 

魔法媒介はインセクトアンバー。大事な相棒。

 

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天然?腹黒?ビラール殿下

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cv.高橋広樹

属性の魔法使い。21歳。

フルネームはビラール・アサド・イスナーン・ファランバルド。

 

乙女ゲーム界で一番長い名前を持つ男。

ファランバルド王国の第二王子で、水を失った故郷を救うため魔法を勉強しに来ている。

 

カタコトの日本語で喋り、「大丈夫、大丈夫」が口癖。本当に大丈夫かはさておき、大抵のことはこの言葉で乗り切る。

 

マイペースでフェミニスト、大らかで天然っぽいが、醸し出される王族オーラにはなんとなく逆らえない雰囲気があり、そこはかとなく漂う策士っぽさも相まって腹黒と呼ばれることも。

 

個別ルートに入ると高橋広樹が本気を出してくるので気を付けろ。

 

魔法媒介はゴブレット。 

実家の宝物庫からパクってきたとか。

 

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腹ぺこ肉食獣、ラギ

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cv.柿原徹也

属性のハーフドラゴン。16歳。

フルネームはラギ・エル・ナギル。

 

人とドラゴンの混血で、魔法は一切使えない&効かない。

女の子に抱きつかれるとチビドラゴンに変身する(+めっちゃ腹減る)体質を持つ、ら◯ま1/2にありそうなコテコテ設定の悩み多き思春期ボーイ。

体質を治すためミルスクレアに来た。

 

ワンド作中においておそらく最も常識人で、普通の感覚を持っている人物。ゆえに苦労人。

ノエルに次ぐ不憫な子。

 

さっぱりしていて男前で頼りになる性格と、その設定や見た目から、公式に「出る作品を間違えなければ主人公だった」とか言われていた。

 

常に腹ペコでめちゃくちゃご飯を食べるのに、なかなか背が伸びない。

 

魔法は使えないが魔法剣を持っている。1ではあまり使わない。

 

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要注意人物、アルバロ

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cv.鈴村健一

属性の魔法使い。19歳(?)。

フルネームはアルバロ・ガレイ。

 

作中一の危険人物。退屈嫌いの快楽主義者。

彼の半分は嘘、もう半分は悪意でできていると噂される、腐ったバファリンみたいな男。

 

クリア後のプレイヤーたちはみな口を揃えて「アルバロ禿げろ」と呪詛を吐く。ていうか公式が言ってた。

 

とにかく彼を信用してはいけない。

ワンド2ではゲームシステムすら逆手にとってプレイヤーを叩きのめした。

好きと嫌いの両方を同時に感じさせてくれる厄介な奴。

 

しかし人気投票は

納得の1位である。

 

魔法媒介は頬のタリスマン。着脱可能。

 

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ツンドラ美少年、エス

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cv.入野自由

属性の魔法使い。14歳。

フルネームはエスト・リナウド。

 

とんでもない魔力を秘めた最年少の天才少年。

ツンデレではなくツンドラ誤字ではない。

 

大の人嫌いで、何かと厄介ごとに巻き込んでくるルルたちを「嫌です」「ダメです」「聞こえません」の三段活用で完全拒否、徹底して冷たい態度を取り続けるも、押しに弱く無駄に責任感が強い性格のせいで、逃げ切れた試しがない。

 

食に興味なし、将来の夢もなし、と生きる気力に欠けているが、それには深い深い理由がある。

 

「14歳以下には短パンしか履かせない」という制作側の性癖に則って、制服も私服も特別衣装すらも短パンスタイルになっている。

 

魔法媒介は魔導書…と本人は言っている。

 

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…ちょっとアルバロに対して毒が出過ぎた感があるが、なんだかんだノエルの次の次に好きだったりするので愛ゆえに、というやつだ。

(ちなみにノエルの次に好きなのはラギ。)

 

 

なんとなく、彼らのクセの強さはご理解いただけただろうか。

 

個性しかないクセ強ボーイズ&ガールズが、不思議な学校で、変わった先生たちに魔法を教わりながら、キラッキラ✨の青春を過ごす物語。

 

それがワンドオブフォーチュンだ。

 

もう面白いに決まってるやんこんなの。

ハ◯ー・ポッターとか好きな人とか特に好きなんじゃないかな?知らんけど。

そして私はハリー・◯ッター別に好きじゃないけど。

 

 

不思議が溢れた学校生活、キャラの濃いサブキャラたち、寮でのアレコレ、みんなでわちゃわちゃ。

 

是非色んな人に、可愛い彼らを愛を持って見守っていただきたいと思う。

 

余談だが、先生や女友達とのエンドもあるぞ。

楽しいね。

 

 

↑vita版公式プロモーション映像

 

 

 

 

…さて。

いま上でさらりと書いた「変わった先生たち」。

これがまた特殊な存在で、この世界において古代種と呼ばれる、人ならざる者だ。

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古代種はとても強い魔力を持ち、自在に魔法を操る。

何百年と生きることができる種族のためか繁殖する本能があまりなく、今ではずいぶん少なくなっている存在だ。

 

ルルたちの通うミルスクレアという学校を作ったのが、ファタ・モルガナという、今はなき古代種の長。

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そしてこのファタ・モルガナこそ、最初に人間に魔法を与えた張本人。

彼がいたからこそ、ルルたちは今、魔法を使うことができるわけだ。

 

ミルスクレアの中庭には、ファタ・モルガナの石像が建っており、今も人々から尊敬の念を集めている。

 

 

 

…そんなファタ・モルガナが生きていた時代。

350年前のミルスクレアに、ある日うっかりルルたち7人はタイムスリップしてしまう。

 

 

それが、ワンドオブフォーチュン2〜時空に沈む黙示録〜という作品だ。

(ちなみに、「じくう」ではなく「とき」と読む)

 

 

 

1は恋と青春と夢のキラキラと紹介したが、2では大きくテイストが変わる。

 

 

 

2の作品ジャンルは

恋も魔法も掴み取るADV

 

未来へ駆ける!と軽やかに謳った1とは打って変わって、掴み取る、という力強い表現になっている。

 

 

そう、2はどシリアスなのだ。

 

 

 

 

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ただ純粋に魔法を信じていた彼らが、タイムスリップした350年前の世界で目にしたもの。

 

それは、魔法を巡る戦争だった。

 

魔法とは何のためにあるのか?

人は本当に魔法を得るべきだったのか?

 

信じてきたもの、夢見てきたものの現実。

自分の抱える問題と、紐解かれていく因縁。

 

1よりもさらに深く、ひとりひとりの問題が掘り下げられ、人間らしく悩み苦しみながら希望を掴み取るまでの物語。

 

それがワンド2という作品だ。

 

恋と青春と夢のキラキラ、ならぬ

現実と真実と一縷の光、という感じ。

 

一部では泣きゲーと言われるくらいのシリアスさで、私の推しであるノエルはネタキャラポジションにも関わらず、2では最も重く辛いストーリーになる。

 

詳しくは言えないが、某シーンのノエルの絶叫は、今なお耳に残る鈴木千尋氏の名演だった。

 

1と2のこの温度差も、次作であり完結作である2FDでの感動を生んだ大切な要素だったと個人的には思っている。

 

本編のその後を描くFD(ファンディスク)は内容が物足りないものも多い中、ワンドのFDではつい感極まって泣いてしまった。

まあその辺りは、プレイした人間にしか絶対にわからないことなので、FDについてはあまり触れないことにしよう。

 

 

 

2のシステム面の話を少ししておくと、あいも変わらず作業ゲーだ。

 

週ごとのスケジュールを組み立てていた1とは違い、1日1日、任意の相手とペアを組んで、マップ上を探索して魔物を倒したり宝石(未来へ帰るために必要なアイテム)を集めたり…という作業を繰り返す。

どちらかというと、私は1より2のシステムの方が苦手だった。難しさはないのだが…なぜかイベントを逃しがちだった。

 

さらに、2では攻略キャラが1人増える。

 

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風変わりな古代種、ソロ・モーン

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cv.立花慎之介

属性の古代種。年齢不詳。

 

物腰柔らかで、柔らかすぎて、もはや扱いに困るくらいふにゃふにゃのクラゲ系男子。

マイペースの究極形態。

 

眠くなればその場で倒れ、腹が減ってもその場で倒れる。行き倒れはほぼ日課

というか、倒れるまで空腹や眠気に気が付かないほど無頓着で無気力。

 

ペル・ソーナというゴブリンの連れがおり、彼の世話のおかげでギリギリ生きている。要介護。

 

謎めいたよくわからない発言が多く、一見するとただの変な奴なのだが、実はものすごくストレートなことを言っていたり意外と核心を突いていたりする、なんだか侮れない変な奴

 

魔法媒介は古代種なので特になし。

呪文詠唱もなく指パッチンひとつで魔法が使える。

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後から追加されるキャラクターというのは、なんにせよ評価が割れやすいと思う。他のキャラクターよりも親密になるための時間が短いせいだろう。

 

彼の場合は、結論だけ言うと、

めちゃくちゃ良かった。

突然現れたくせに掻っ攫っていった。

彼の個別ルートの終盤は涙なしには見られない。

 

ワンド2は、登場キャラ全員にとって大きなターニングポイントになる作品だが、誰よりも彼にとって大きな意味を持つ物語だったと思う。

 

 

↑公式プロモーション映像

ちょっと1のネタバレ要素がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ワンドオブフォーチュンという作品は、ディレクターであるいわた志信氏がシナリオも手掛けている。

 

私はこのいわた氏がとても好きだ。

というか、この方の作る作品が好きで、そして信じている。

 

私の勝手なイメージにすぎないが、この方は人間の魅力を「弱さ」にこそ見出していると思う

 

ワンドにカッコいい男は出てこない。

けれど、カッコいい人間は沢山出てくる。

弱くて情けなくてみっともなくて、でも諦めずに足掻き続けるというカッコよさが、いわた氏の生み出すキャラクターたちにはあると思う。

 

それは完全無欠のヒーローよりも、何倍も何百倍もカッコいい。

 

 

 

 

 

ワンドは乙女ゲームの中でもクセが強い方で、合わない人には全然合わないだろう。

ルルはヒロインとしては個性がやたら強い上にCVも付いているので、自己投影タイプのプレイヤーにも向かない。

作業ゲーだし、ネタが多いし、完璧なイケメンもいない。

 

わかっている。

 

誰しもに勧められる作品でないことは十二分にわかっているが、それでも私はひたすらこの作品を推し続けたい。

 

だって本当に私は、ワンドを一生好きでいられる自信があるのだ。

 

 

もしかしてワンドに出会うために乙女ゲーム始めたのかも、とかちょっと本気で思っているし、これから何百本、何千本の乙女ゲームをやっても、これを超えることはないと、ほとんど確信を持っている。

それでも楽しさやときめきを求めて乙女ゲームはやり続けるが、どう足掻いたってワンドが最高峰だ。

それはもう絶対に変えられない。絶対に。

 

 

 

ゲームに限らず、そんなふうに思える存在に出会える人は、世の中にどのくらいいるのだろう。

「絶対に一生好きでいられる」と確信が持てる何かに出会える人は。

 

統計をとったわけでもないから知らんが、たぶん、そんなに多数派ではないだろう。

 

どんなものでも、自分の中に確固たるものがあるというのは、とても幸福で、心の支えになる。 

 

そういうものに出会えた私は、たぶんとても幸運だ。

 

 

 

もしかしたら、ルルの持つ幸運の杖(ワンドオブフォーチュン )が、私にこの幸せを与えてくれたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なんつって。

ちょっと上手いこと言ったわ。

 

 

ダラダラとまとまりなくやたら長い文章を書いてしまったが、ついうっかりここに辿り着いて、ついうっかり全部読んじまったようなおかしな人がもしもいたならば。

 

どうかワンドオブフォーチュンを、よろしくお願いいたします。

 

学生時代の出会いから、恋人になって、やがて大人になって、結婚して、出産して、ドラマCDでは子供とパパのやりとりまで見せてくれる、そんな幸せを味わわせてくれる乙女ゲームは、きっとワンドくらいです。

 

どうぞ、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

ルルやみんなが、きっとあなたに、幸運を連れてきてくれるはず。